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一橋大学アウティング事件:東京地裁判決

当団体が代表団体を務めるLGBT法連合会が一橋大学アウティング事件の東京地裁判決について、2/28声明を発表しました。


声明は、判決が極めて遺憾なものであり、被告である大学側の性的指向に対する認識のあり方、及び、性的指向に関する差別から生じる「アウティング」に対して充分な対応をしていたのか、大いに疑問であるとしています。


一橋大学アウティング事件は、2015年に一橋大学法科大学院に通う学生が、同じ大学院に通う学生に自身のセクシュアリティを告白したところ、それを別の学生に暴露(アウティング)され、これを苦にしてアウティングを受けた学生が自殺した事件で、遺族が暴露した学生と大学側に対して損害賠償を求めて裁判を行っていました。

暴露した学生側とは既に和解が成立していますが、大学側とは安全配慮義務の責任をめぐり、係争が続いていました。


東京地裁の判決では、被告である大学側は安全配慮義務を怠ったと言えず、ハラスメントに対応する落ち度はなかったとされましたが、LGBT法連合会の声明は、東京地裁の判決は、性的指向に関し、スティグマが付与されている社会状況や教育現場で、この課題が安全配慮義務を怠らない程度に扱われていたとは到底言い難い点や、性的指向というプライバシーの漏洩自体が人権侵害であり、一度情報が流出すると当事者の日常生活において、様々な状況が悪化するという現実に対する想像性を欠いており、性的指向に関する困難の実態に対する認識が不足していると言わざるを得ないとしています。


性的指向に関する情報保護については、自治体がアウティングを禁止する条例を制定したり、2018年9月には国の個人情報保護委員会が、性的指向を個人情報保護法の配慮を要する個人情報と同様に取り扱うべきことと定めるなど、細心の注意を払わなければならない情報であるという認識が高まってきています。


判決は、このような観点に立った判決とはなっておらず、認識が不十分であり、また大学をはじめとする教育現場においても予防、相談対応など各段階で、性的指向や性自認に関する個人情報の取り扱いについて見直しが必要であると声明は指摘しています。


今回の判決からも、法連合会が主張する、LGBT差別禁止法が無いと、当事者が被害者となるこの種のアウティング、更にはハラスメント全体の救済も防止も徹底されないという事は明らかです。


我々同性パートナーシップ・ネットも、LGBT法連合会の代表団体の一つとして、LGBT差別禁止法の早期の制定に向けて尽力していく所存です。


LGBT法連合会の声明


→http://lgbtetc.jp/news/1344/


ハフィントンポストの記事→https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5c736b76e4b06cf6bb27b80b





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