同性同士が結婚できないのは憲法が定める法の下の平等に反するとして国に裁判を起こす予定の女性カップルが、16日に横浜横浜市に婚姻届けを提出しました。既に他のカップルについても報道されている通り、各地の地方裁判所にて、同時に同じ訴えを起こす動きの一つです。
婚姻届けを提出したのは、会社員中島愛さん(40)とドイツ出身の学生クリスティナ・バウマンさん(32)。中島さんは当団体のメンバーでもあります。
中島さんとバウマンさんはドイツで出会い、2013年から日本で暮らしています。
18年には既に同性同士の結婚が合法化されているバウマンさんの祖国ドイツで結婚しましたが、同性同士ということで、バウマンさんは日本への渡航にあたり配偶者ビザを取得できず、今も留学ビザで日本に滞在しています。
「病気になって学校へ通えなくなったり、今後仕事が見つからなかったりしたら、帰国しなければならない。日々不安で緊張する」と婚姻届け提出後の記者会見で、バウマンさんは日本での生活の心境を語りました。
現在日本は同性カップルに法律婚を認めておらず、二人の提出した婚姻届けは不受理になる見通しです。
この他にも、日本で暮らす同性カップルには、長年パートナーとして共同生活を送っていても、互いに法定相続人になることができなかったり、子どもを育てる場合にも、共同で親権を持てないといった様々な不利益があります。
中島さんたちカップルを含む複数の同性カップルは、このような同性カップルのおかれた状況を踏まえ、同性同士が結婚できないのは憲法が定める法の下の平等に反するとして、2月に東京、大阪など4つの地方裁判所に一斉提訴を行う予定です。
この訴訟には当団体共同代表の一人である大江千束氏は、昨年中野区のパートナー制度の利用者第一組ともなった後、パートナーとともに訴訟の原告として参加しています。
中島さんは「私たちだけでなく、社会で不当に扱われている仲間や家族のため(原告として訴訟に)参加した」と記者会見で語りました。
当団体共同代表の大江氏は「自治体では同性パートナーシップ認定制度が拡充しつつあるなか、同性婚ができないという不平等な現状について、司法がどのような審判を下すのか、
私は知りたい。生き方の多様性を、この国がどのように考えているのかを知る機会になると期待する。」とコメントを出しています。
日本に先んじて同性婚が認められている海外でも、そこまでの道のりには、同性婚が認められないことで生きづらさを感じた一人一人の当事者が起こした訴訟がありました。
原告に立たれる当事者の方々は、日本で同性婚を求める多くの性的少数者の代表としてこの裁判に臨まれます。
今後の裁判の行方は、日本における同性婚実現への道標と言っても過言ではありません。
日本の司法が、世界に拓かれた目で、人権についての判断をすることを期待します。
https://mainichi.jp/articles/20190116/k00/00m/040/241000c
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