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自民党・竹下 亘総務会長の発言に対する声明

自民党・竹下 亘総務会長の発言に対する声明

 平成29年11月23日,岐阜市で開催された自民党支部パーティーの公演において,自民党総務会長 竹下 亘氏が,我が国の皇室が開催する宮中晩餐会をめぐって,国賓の同性パートナーの出席に反対するという主旨の発言をしました。この発言は性的指向を理由とする差別に基づくものであり,当団体は強く抗議の意を表明し,竹下氏に対して発言の撤回・謝罪を求めます。

 報道によれば,講演の中で竹下氏は,同性パートナーが宮中晩餐会に出席する事の可否判断について,「必ず近い将来,突きつけられる課題」だが、「日本国の伝統に合わないもの」として出席には反対を表明したと伝えられています。

 同性であることを理由としてパートナーの宮中晩餐会への出席を拒否することは,同性カップルを異性カップルと比較して不利益に取り扱うものであり,性的指向に関する直接的または間接的な差別にあたります。こうした取扱いは,憲法第14条が保障する平等原則に違反するものであり,許されるものではありません。また、この場合不利益扱いの被害者は、直接には日本国民ではないとはいえ、同性カップル・パートナーとして暮らす日本国民に「自分たちは男女カップルに比べて劣る存在である」と宣言を言い渡したに等しいコメントであり、差別的言動であることには疑いの余地がありません。

 海外では米国やEU諸国等,宗教上の理由から同性愛を刑罰の対象としてきた国々においてすら近年同性婚の導入が急速に進んでいますが,これらの国・社会は、自らが過去正しいとしてきた、同性愛を異常視し差別する「伝統」は、誤った知見に基づき、人権を侵すものであったことを認め、政策・法制度を改めたのです。したがって,わが国のみ「伝統」を理由に,これからも差別的な取扱いを正当化できると考えることは,これら諸国の人権に対する真摯な取り組みと発展を無視する考え方であり,我が国は「価値観を共有する」国として見なされないことを,表明することになります。

 また,2014年には五輪憲章に性的指向による差別の禁止が明記され,我が国は2020年のオリンピック・パラリンピック開催国として,国際社会の厳しい視線にたえうる対応が求められています。

 さらに,現在竹下氏が議長を務める自由民主党総務会は,2016年に「性的指向・性自認の多様なあり方を受容する社会を目指すためのわが党の基本的な考え方」を承認・発表しています。この中では,「わが国においては、中世より、性的指向・性自認の多様なあり方について必ずしも厳格ではなく、むしろ寛容であった」としたうえで,歌舞伎の女形やとりかへばや物語を例に,「古来、わが国で性的指向・性自認の多様なあり方が受容されてきたことを示す」としながら,LGBTの理解増進への政府の各種対応を,政府に要望しています。今回の竹下氏の発言はこの立場と大きく矛盾するものです。

 当団体は,以上の通り今回の発言を差別発言として強く指弾するとともに,竹下氏に対して発言の撤回を求めます。また,宮中晩餐会への出席者選定を含む,国政のあらゆる局面において,同性カップルが異性カップルと比較して不利益な取扱いを受けることがないように,同性カップルの困難を解消する法的保障の実現を,行政府及び立法府に対して引き続き強く求めていきます。

以上

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